広告当サイトには旅行関連商品のアフィリエイト広告(ASP)が含まれます。
Travel Insurance

海外旅行保険の考え方

本ページでは、海外旅行保険で何が補償されるか、クレジットカード付帯の保険で足りる場面と足りない場面、実際の事故でかかった費用、渡航地域ごとに見ておきたい補償額の目安を、加入先を選ぶ前の判断材料としてまとめている。

本ページは保険の一般的な仕組みと公表データの整理であり、特定の商品を勧めるものではない。補償内容と保険料は各社の現行の約款・パンフレットが正本で、加入は各社公式サイトで行う。金額は出典の公表時点の円換算で、為替により変動する。(最終更新 2026-09-26)

海外で不測の事態に遭うということ

海外旅行保険を扱うジェイアイ傷害火災が毎年公開する事故データによれば、2025年度は加入者の22人に1人が旅行中のケガや病気などで保険を使った。

請求の中身は治療・救援費用が半分を占め、携行品損害が続く。治療・救援費用の1件あたり平均は8.1万円(2025年)だが、同年度の最高額はハワイでの入院と医療搬送で2,530万円に達した。平均は小さくても、上振れが桁違いに大きい。

項目2025年度備考
保険を使った人の割合22人に1人(4.5%)30年前は75人に1人
治療・救援費用の平均8.1万円2005年度 4.9万円の1.7倍
治療・救援費用の最高額2,530万円ハワイ・炎症性疾患・約3週間入院+医療搬送+家族の駆けつけ
請求の構成治療・救援 51.8%/携行品 27.3%2項目で約8割
医療費の上昇(2005年度比)ハワイ 2.8倍・タイ 2.6倍・豪州 2.3倍・米国 1.9倍・英国 1.8倍円安の影響を含む

出典: ジェイアイ傷害火災保険「2025年度 海外旅行保険事故データ(2025年4月〜2026年3月)」(2026年7月16日公開)

クレジットカード付帯保険の補償範囲と額

多くのクレジットカードには海外旅行傷害保険が付いているが、保険会社の海外旅行保険と同じものではない。主に「適用条件」「治療費用の上限」「サポートの中身」の3点が異なる。

適用条件は自動付帯と利用付帯に分かれる。自動付帯は持っているだけで有効、利用付帯は航空券やツアー代金をそのカードで支払ったときだけ有効になる。近年は自動付帯から利用付帯へ切り替えるカードが相次いでいる。

上限は死亡・後遺障害の大きな数字に目が行きがちだが、実際に使う確率が高いのは治療費用だ。一般的なカードでは傷害・疾病それぞれ100〜300万円程度が標準で、救援者費用も100〜200万円程度にとどまる。治療費用は複数のカードを合算できるのが一般的だが、死亡・後遺障害は最も高いカード1枚分のみになる。

観点カード付帯で多い設定確認する場所
発動条件利用付帯(旅費のカード決済が条件)が主流カード規約「旅行傷害保険」
傷害治療費用100〜300万円同上
疾病治療費用100〜300万円(傷害と別枠)同上
救援者費用100〜200万円同上
キャッシュレス診療提携病院が限られる、または無いカード会社の保険デスク案内
家族特約無いか、あっても本会員より低額カード規約
補償期間出国から90日程度同上
旅行キャンセル費用原則なし—
持病・妊娠関連対象外が原則同上

自分のカードで確かめる項目は上の表の左列で足りる。規約は「海外旅行傷害保険」の章にまとまっており、カード会社の会員ページから読める。足りない項目だけを保険会社の商品で買い足す(治療費用だけを厚くするフリープラン型)という組み方もある。

出典: 損保ジャパン off! 海外旅行お役立ち情報「クレジットカードの海外旅行保険の付帯条件は?」/SBI損保「クレジットカードに付いている海外旅行保険の補償内容と利用時の注意点」/価格.com 保険「海外旅行保険はクレジットカード付帯で十分?」

実際の事故でかかった費用

以下は保険会社や外務省が公表している支払事例だ。金額は公表時点の円換算で、多くは2020年以前の事例である。2019年に1ドル109円前後だった為替は2026年9月時点で158円前後であり、同じ治療を今受ければ円建ての額はさらに上がる。

地域事例かかった費用保険費目出典
米国本土交通事故で大腿骨・胸骨骨折。約18日入院、看護師付き添いで帰国搬送治療 約2,200万円+搬送 約200万円治療費用・救援者費用AIG損保 公表事例
米国本土カリフォルニアで交通事故、23日入院治療費 2,178万円超治療費用損保ジャパン off!
ハワイ急性心筋梗塞、13日入院約1,942万円治療費用・搬送損保ジャパン off!(外務省データ)
ハワイ海水浴中の溺水で ICU 1か月、プライベートジェットで帰国計1,700万円治療費用・搬送損保ジャパン off!
カナダ急性冠症候群、43日入院約3,700万円治療費用損保ジャパン off!
カナダ腰の骨折、18日入院約970万円治療費用損保ジャパン off!
英国私立病院で虫垂炎手術、3日入院43万円治療費用損保ジャパン off!
中国(上海)転落で腰椎骨折、30日入院・手術2回、家族が駆けつけ約1,076万円(搬送 484万円・救援者 151万円を含む)治療・救援者費用損保ジャパン off!/i保険
インドネシア交通事故約689万円(搬送 484万円を含む)治療費用・搬送i保険
オーストラリア精神疾患で入院約527万円治療費用i保険

参考として、平常時の単価も並べる。ニューヨークの一般医初診は約2〜5万円、専門医は約3〜8万円、入院の室料だけで1日約30〜50万円、救急車は救命士乗車で17〜19万円。ハワイの盲腸は300万円前後、心筋梗塞は1,000〜1,500万円が目安とされる。カナダのバンクーバーではヘリコプター搬送が1時間47万円である。

被災の場合に発生する費用は、治療と別の系統になる。延泊、振替の航空券、陸路での移動、家族の渡航、旅行の中止に伴う取消料である。これらは海外旅行保険の基本補償ではなく、旅行変更費用や旅行キャンセル費用といった特約の領域になる(「選び方の軸」の節と、海外で被災したときはの費用と補償の節を参照)。

出典: AIG損保「クレジットカードの海外旅行保険との違い」/損保ジャパン off! 海外旅行お役立ち情報(アメリカ合衆国・ハワイ・カナダ・イギリス・中国の医療費)/i保険「海外旅行保険の治療費は『無制限』がいい?」(2026年5月25日)

渡航地域ごとに備えておきたい補償額の目安

保険で最初に決める数字は治療・救援費用の上限である。目安は地域で変わる。医療の単価が高い地域と、医療拠点が遠く搬送費がかさむ地域では補償額を充実させたい。以下の表は保険会社の案内と外務省の医療事情を根拠にした「渡航先ごとに備えておきたい水準」である。

渡航地域治療・救援費用の目安根拠になる事情
北米(米国本土・ハワイ・カナダ)無制限、または少なくとも1,000万円超事例が2,000〜3,700万円に達する。救急車・入院室料の単価が世界最高水準
欧州1,000万円以上(治療・救援それぞれ)付き添い帰国と搬送が高額。英国は救急に限り公的医療が無料
オセアニア1,000万円前後私立病院の単価と搬送距離。2005年度比で医療費2.3倍
東アジア・東南アジア500万円以上搬送費が200〜400万円。上海の転落事故では1,000万円超
高地・僻地(ヒマラヤ・アンデス・サハラ・極地など)1,000万円以上ヘリコプター搬送と近隣国の医療拠点への移送が前提
アフリカ・中東・南米1,000万円以上高度医療を受けられる都市が限られ、国外搬送を伴う

出典: 損保ジャパン off!「海外旅行保険の選び方は?旅行先別の補償内容とおすすめプラン」(ハワイ 1,000万円以上・アジア 500万円程度・欧州 治療1,000万円+救援1,000万円)/ジェイアイ傷害火災 2025年度事故データ(地域別の医療費上昇)/外務省 海外安全ホームページ「世界の医療事情」

当サイトの掲載地の緊急連絡先と受診の入口は海外で体調を崩したらの国別早見表にまとめている。渡航先の欄と上の表を合わせて読むと、必要額の見当がつく。

選び方の軸

補償項目は多いが、補償有無を見ておきたい項目は限られる。以下を順に確かめて最適な保険を選びたい。

  1. 治療・救援費用の上限: 無制限の有無。前節の地域目安と照らす。
  2. キャッシュレス診療と日本語サポート: 提携病院で立替なしに受診できるか、24時間日本語で応答するか。カード付帯との差が最も出る項目。
  3. 持病の扱い: 持病の急激な悪化を一定額まで担保する商品がある。持病があれば備えておきたい。
  4. 旅行変更費用・旅行キャンセル費用: 出発前の中止と途中帰国を担保する特約。旅行先の地震・噴火・津波、外務省の退避勧告、親族の死亡・危篤が事由に含まれるかを見る。
  5. 航空機遅延・手荷物遅延: 定額型か実損型か。地震・噴火・津波を原因とする遅延は対象外とする商品がある。
  6. 申込可能な期間: 出発当日まで申し込める商品が多いが、キャンセル費用の補償は契約翌日からしか始まらない。
  7. 年齢の上限と支払方法: 高齢の引受上限と、クレジットカード以外の決済可否。

地震・噴火・津波について、ほとんどの海外旅行保険では治療費用・死亡・賠償・携行品・救援者費用を通常どおり補償する(対象外になるのは日本国内で起きた地震等と、航空機遅延・手荷物遅延の2特約)。

補償の系統地震・噴火・津波が原因のとき
治療費用・傷害死亡・疾病死亡・賠償責任・携行品・救援者費用対象(海外で発生した場合)
航空機遅延費用・航空機寄託手荷物遅延費用対象外
旅行変更費用(特約)旅行先の地震・噴火・津波、退避勧告を事由に取消料・帰国費用を担保する商品がある
旅行キャンセル費用(特約)基本型は親族の死亡・危篤・入院が事由。拡大型で危険情報レベル3以上を含む商品がある

比較の窓口

複数社の保険料と補償を同じ条件で並べて見るなら、乗合代理店が運営する比較サイトが早い。ネット申込ができる主要各社(損保ジャパン・東京海上日動・三井住友海上・AIG損保・ジェイアイ傷害火災・エイチ・エス損保・SBI損保・ソニー損保 など)の商品を渡航先と日数から一括で試算でき、いずれも登録代理店のため申込までその場で完結する。当サイトは各社・各比較サイトと提携関係になく、リンクによる報酬は生じない。

参考情報