アルゼンチンとブラジルの国境にまたがるイグアスの滝では、2026年の冬から春にかけてイグアス川の増水が続いています。上流のブラジル・パラナ州で雨が重なり、エルニーニョ現象の影響で9月から10月にかけても多雨が見込まれることから、アルゼンチン側の国立公園は最大の見どころである「悪魔の喉笛(ガルガンタ・デル・ディアブロ)」回廊を8月3日から休止し、川の上に架かる遊歩道そのものを撤去しています。ブラジル側でも9月中旬に遊歩道が数日閉鎖されました。両国の公園はどちらも開いており、滝の大部分は見られます。この記事では、閉鎖されている区間と歩ける範囲、訪問前の確認先を1本に整理します。一次情報はアルゼンチン国立公園局と各運営会社の公式案内が正となります。
閉鎖・制限されている区間

影響の中心は、アルゼンチン側の「悪魔の喉笛」回廊です。ブラジル側の遊歩道は、増水のたびに短期の閉鎖と再開を繰り返しています。
- アルゼンチン側 イグアス国立公園「悪魔の喉笛」回廊——8月3日から休止中(再開日未定)。7月下旬の増水で5日間の閉鎖と再開を経たのち、国立公園局と運営会社イグアス・アルヘンティーナ社は、エルニーニョに伴う大規模な増水の予測を受けて8月3日から回廊を閉め、川の上に架かる金属製の遊歩道を撤去して陸上の安全な場所へ移しました。川底にはコンクリートの杭だけが残っています。9月16日の報道でも「少なくとも40日」の休止と伝えられており、国立公園局は9月17日の案内で、遊歩道は8月に撤去済みで再開日は未定としています。再設置と再開は川の流量とエルニーニョの影響を見て判断される見通しです。9月中旬の流量は毎秒約6,500立方メートルで、遊歩道の安全基準を上回る水準が続いています(elDiarioAR・9月16日)
- ブラジル側 イグアス国立公園の遊歩道(悪魔の喉笛の展望台へ続く区間)——9月11日13時に閉鎖、9月15日に再開。運営会社ウルビア・カタラタス社と環境当局ICMBioは、流量が毎秒840万リットルを超えて増え続けた9月11日に遊歩道を閉め、9月12日には毎秒1,010万リットル(平年の6倍超)に達しました。9月14日に毎秒670万リットルまで下がり、15日に再開しています。運営会社は、流量が再び毎秒800万リットルに達して上昇傾向なら予防閉鎖を検討するとしており、増水が続く間は短い予告で閉鎖されうる状態です。園内のバナネイラス歩道は9月22日時点で公式サイト上「一時閉鎖」の表示が続き、ポソ・プレト歩道は時間を限って開いています
- 9月21日にはブラジル側のフォス・ド・イグアスに気象当局INMETの暴風雨の赤警報が出されました(1時間60ミリ超の雨・時速100キロ超の突風・雹のおそれ)。9月22日時点で、この警報に伴う公園や空港の閉鎖・被害は報じられていません
今回の閉鎖に関連した人的被害は、両国側とも報じられていません。閉鎖はいずれも「増水に先んじて構造物と来園者を守る」ための予防措置として、公園当局が説明しています。
いま歩ける範囲

「悪魔の喉笛」の真上に立つ体験は当面できませんが、滝群の全景と近景はどちらの側からも見られます。増水で水量は平年の数倍に達しており、当局は、上の回廊・下の回廊からの眺めがいつになく迫力を増していると案内しています。
- アルゼンチン側の公園は通年どおり開園しています。国立公園局は9月17日、休止しているのは「悪魔の喉笛」回廊だけで、上の回廊(スペリオール)、下の回廊(インフェリオール)、緑の小道(センデロ・ベルデ)、マクコの小道、ビジターセンター「イビラ・レタ」、ジャガー展示「テリトリオ・ジャグアレテ」は通常どおり利用できると公表しました。ブラジル側の閉鎖が「アルゼンチン側も閉鎖」と誤って伝わったことへの訂正として出された案内です
- ブラジル側の公園も開園しています。入園は月〜金が9時〜16時、土日が8時30分〜16時で、滝の小道(トリーリャ・ダス・カタラタス)と各展望台は16時まで見学でき、園内には17時30分まで滞在できます(運営会社の9月14日案内・Tribuna PR 9月15日)。遊歩道は再開済みですが、流量しだいで再び閉じる可能性があります
- アルゼンチン側で「悪魔の喉笛」を正面から見る手段は、遊歩道が撤去されている間はありません。ブラジル側の遊歩道の先にある展望台からは、開いている限り「悪魔の喉笛」を至近で見られます。両側を組み合わせる行程なら、ブラジル側の遊歩道が開いている日にそちらへ回すのが現実的です
- 川の流量は数日単位で大きく変わります。9月11日に毎秒840万リットル、12日に毎秒1,010万リットルに達したあと、9月中旬にいったん下がりましたが、9月21日以降の雨で再び上がる可能性があります。当日の閉鎖は運営会社の公式サイトとSNSで告知されます
訪問を予定している方へ
- 出発前と到着時の確認先は、アルゼンチン側が国立公園局(Parques Nacionales)と運営会社イグアス・アルヘンティーナ社の公式サイト、ブラジル側が運営会社ウルビア・カタラタス社の公式サイト「Cataratas do Iguaçu」のお知らせ欄です。閉鎖と再開は短い予告で切り替わります
- ツアーで訪れる場合——アルゼンチン側の「悪魔の喉笛」回廊を含む行程は、上の回廊・下の回廊への差し替えになります。ブラジル側の遊歩道は当日の流量で開閉が決まるため、代替の見学先を旅行会社の案内で確認してください。10月以降の再開を前提に日程を組むのは避け、再開が公表されてから予定に入れるのが確実です
- 緊急番号は、アルゼンチンが警察101・救急107・消防100(911で一括通報できる地域もあります)、ブラジルが警察190・救急192・消防193です。受診の入口や医療費の考え方は海外で体調を崩したら(アルゼンチンの節)と同(ブラジルの節)にまとめています
- 管轄の在外公館は、アルゼンチン側(プエルト・イグアス)が在アルゼンチン日本国大使館、ブラジル側(フォス・ド・イグアス=パラナ州)が在クリチバ日本国総領事館です。滞在中の方は、たびレジ(3か月未満)または在留届の登録を済ませておくと、緊急時の情報配信の経路になります。公館の所在地と連絡先は日本大使館・領事館の一覧(アルゼンチンの節)と同(ブラジルの節)を参照してください
- あわせて外務省海外安全ホームページのアルゼンチンとブラジルのページを確認してください
参考情報
- Parque Nacional Iguazú abierto todo el año(アルゼンチン政府・国立公園局・2026年9月17日・開いている回廊の一覧と「悪魔の喉笛」遊歩道の撤去)
- Parque Nacional Iguazú: conocé los circuitos disponibles mientras Garganta del Diablo permanece cerrado(運営会社 Iguazú Argentina 公式・2026年8月3日・遊歩道撤去の開始と40日の作業)
- El Parque Nacional Iguazú suspenderá desde agosto el acceso a la Garganta del Diablo por la crecida del río(Infobae・2026年7月31日・8月3日からの休止と遊歩道撤去の発表)
- El Parque Nacional Iguazú reabrió la Garganta del Diablo y normalizó sus actividades en las cataratas(Infobae・2026年7月27日・7月22日午後からの5日間の閉鎖と7月27日の再開)
- Cataratas del Iguazú: por El Niño, cierran 40 días la Garganta del Diablo(elDiarioAR・2026年9月16日)
- Caudal extraordinario: Cataratas permanece abierta y con sus principales circuitos habilitados(La Voz de Cataratas・2026年9月17日)
- Passarela está temporariamente interditada(Cataratas do Iguaçu 公式・運営会社 Urbia+Cataratas・2026年9月11日)
- Passarela reabre nesta terça-feira, 15(Cataratas do Iguaçu 公式・2026年9月14日・15日再開の予告)
- Passarela das Cataratas do Iguaçu reabre após vazão chegar a 10,1 milhões(Tribuna PR・2026年9月15日)
- Pela segunda vez no ano, Foz do Iguaçu tem alerta vermelho de tempestade(H2FOZ・2026年9月21日・INMET 赤警報)
- 外務省 海外安全ホームページ アルゼンチン 安全対策基礎データ
- 外務省 海外安全ホームページ ブラジル 安全対策基礎データ
- たびレジ(外務省 海外旅行登録)
- 在アルゼンチン日本国大使館(管轄:アルゼンチン全土)
- 在クリチバ日本国総領事館(管轄:パラナ州・サンタカタリーナ州)